毎年甲子園大会を盛り上げる智弁和歌山のブラスバンドが「新魔曲」候補を用意していることが15日、分かった。

第91回センバツ高校野球大会(23日開幕)で甲子園デビューを果たす中谷仁監督(39)をアルプス席から後押しする。

同監督によると、同校の吹奏楽部は新監督をイメージした新曲を3曲用意。そのうちの1つを指揮官自らチョイスした。

「太鼓をメインにした和のテイストにしてくれました。全部かっこよかったんですけど、特に曲調とテンポが良かった。かっこいいです。新監督で新しい何かをという思いでやってもらった。数多く流れるように1日でも長くやりたい。智弁和歌山のチアと応援団は世界一だと思っています」と“援軍”に感謝した。

智弁和歌山のブラスバンドでは、終盤のチャンスで響かせると逆転劇が続出する「ジョックロック」が有名。甲子園全体を不気味なムードで包み、相手をのみ込むことから、いつしか、他校から「魔曲」と恐れられるようになった。

テレビ朝日系の人気番組「アメトーーク」の「高校野球大好き芸人」でも紹介され、高校野球ファン以外にも知られるようになった。同校は高校野球の応援で定番になっている「アフリカン・シンフォニー」を甲子園で奏でた元祖でもあり、同番組では好きな応援歌の1位に輝いている。新曲がどの場面で使われるかは未定だが、グラウンド以外でも注目の的になりそうだ。

智弁和歌山は大会第6日の第1試合で熊本西と初戦を戦う。黒川史陽主将をはじめ、東妻純平捕手、西川晋太郎内野手(いずれも3年)と1年夏から甲子園経験を積むメンバーをそろえた有力校。特に伝統の打力は今回も全国屈指だ。新たな「魔曲」候補も加わって、しびれる試合を見せてくれるかもしれない。