【第1試合(9:00)日章学園(宮崎)-習志野(千葉)】

日章学園は投打の粘りで昨年秋の九州大会4強を勝ち取り、初のセンバツ出場を果たした。

投手は派手さはないが確実性が武器だ。右腕の石嶋留衣投手(3年)はキレのいい直球が主体で、もう1人の右腕、寺原亜錬投手(3年)は110キロ台の直球も織り交ぜて緩急をつけて打ち取る。先発完投ができる2投手が軸だが、右横手の小迫恭汰投手(3年)を加えた投手陣でセンバツ舞台に挑む。また、投手陣だけでなく、1試合平均失策数0・5は、出場校中3位と「堅守」もチームカラーのひとつ。基本に忠実な練習で作り上げた守りの堅さで投手陣をもり立てる。

打撃ではプロ注目の4番平野大和外野手(3年)がけん引する。昨年秋の九州大会では左膝を骨折しながら全3試合で打点(計5打点)を挙げる活躍を見せた。50メートル走5秒8の俊足でもあり、プロ注目の素質の高さに注目だ。捕手ながら2番に起用される深草駿哉(ゆうや)捕手(3年)は昨年秋、打率4割6分7厘をマーク。平野とのコンビで得点を生み出す。

宮崎県勢は10年以来、センバツでの白星がない。17年前の夏に初戦敗退した日章学園が、チーム甲子園初勝利で県勢9年ぶりのセンバツ勝利をもたらす。

◆日章学園の主なOB 楽天山崎剛、元中日瀬間仲ノルベルト、香妻琴乃(女子プロゴルファー)

10年ぶり4度目の出場の習志野は67年夏、千葉県に初の深紅の大優勝旗をもたらし、75年夏にはエース小川淳司投手(現ヤクルト監督)を擁し全国制覇を果たした伝統校。久しぶりの大舞台で上位を狙う。

チームの柱は最速145キロを誇るのエース飯塚脩人投手(3年)。秋は技巧派左腕の山内翔太投手(2年)が先発し、飯塚はリリーフに。強気に打者の懐を突く投球で公式戦防御率0・50をマーク。星稜・奥川恭伸投手(3年)を上回り、今大会出場投手トップの数字を残した。昨夏の西千葉大会では決勝まで先発で経験を積んだだけに、今大会では先発の可能性もあり。飯塚が波に乗れば、守り勝つ野球で勝利を引き寄せることができそうだ。

打線は、昨秋の公式戦のチーム打率2割9分8厘、本塁打2本で、小林徹監督(56)は「打撃力で劣っていた」と振り返る。この冬、打撃を課題に取り組んできた。チームトップの打率3割9分打点10で勝負強さも光る根本翔吾外野手(3年)の前につなげるかが鍵になりそうだ。

今年の強みを小林監督は「明るく前向きに頑張れて粘れる」と評価する。習志野のブラスバンドは全国的に強豪で「美爆音」の異名で高校野球応援の名物。スタンドの大声援に後押しされた選手たちが、粘り強く勝利を勝ち取る。

◆習志野の主なOB 元中日谷沢健一、元阪神掛布雅之、ヤクルト小川淳司監督、ロッテ福浦和也