【第3試合(15:30)履正社(大阪)-星稜(石川)】

優勝候補の強豪同士が1回戦で激突する。ともに悲願の初優勝を狙える力をもっており、大注目の一戦だ。

履正社は現チームの公式戦打率が3割9厘と高くないが、11本塁打は出場校中2位の破壊力。1年夏から主軸の小深田内野手(2年)は昨秋14打点、4番に座る井上広大外野手(3年)は3本塁打11打点をマークした。岡田龍生監督(57)は星稜・奥川に対して、上位打線の地力に期待をかけている。

左腕のエース清水大成投手(3年)が開幕前に左手に打球を受け、調整が遅れたことが気がかり。間に合う見込みだが昨秋の投球がよみがえるか。本調子でなければ、昨秋の府大会決勝で大阪桐蔭を相手に2失点完投した植木佑斗投手(3年)が頼みの綱。植木は最速135キロの直球と変化球を操る技巧派右腕で実力は十分だ。

履正社の過去の甲子園最高成績は準優勝2度。17年センバツでは現ロッテの安田尚憲らを擁したが、あと1歩届かなかった。今回はチーム全体の士気も高く、大阪勢センバツ3連覇をかけた挑戦の始まりでもある。

◆履正社のおもなOB オリックスT-岡田。ヤクルト山田哲人

星稜は最速150キロの奥川恭伸投手(3年)が注目。昨秋は明治神宮大会決勝まで9試合で防御率0・60の安定感を誇った。スライダーも一級品。フォークにも磨きをかけ、全球種を制球できる。小学生からバッテリーを組む山瀬慎之助捕手(3年)とのコンビは修正能力が高い。

1番東海林外野手(3年)から始まる打線は内山壮真内野手(2年)ら左右のバランスもいい。ほとんどの主力は前チームから甲子園を経験済みで、場数を踏んでいることも強み。

甲子園で印象的な戦いを繰り広げてきた名門だが、石川県勢の甲子園優勝はまだない。星稜が甲子園で大阪勢と戦うのは91年夏、優勝した大阪桐蔭と準決勝で対戦して以来。当時2年の松井秀喜を擁したが1-7と完敗。2年生エース山本省吾投手がいた95年夏は帝京に敗れて準優勝。タレントがそろった今回は悲願達成への大チャンスだ。

◆星稜のおもなOB 元ヤンキース松井秀喜。メルボルン・ビクトリー本田圭佑