23日に開幕する第91回選抜高校野球大会の開会式リハーサルが22日、甲子園球場で行われ、八戸学院光星(青森)と盛岡大付(岩手)の選手らが堂々とした入場行進を披露した。八戸学院光星・原瑞都外野手(3年)は今季の練習試合で2本塁打を放つなど、打撃好調。同じ右翼手として、引退表明したマリナーズ・イチロー外野手(45)の勝負強さを尊敬し、東北勢初優勝を導く好機の一発を誓った。

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「光星のイチロー」襲名だ! 右投げ左打ちの原は、リハーサル後に行った打撃練習でも快音を連発した。「次元が違う」と敬意を表した上で、「小さい頃から憧れていた選手の引退は残念。自分もイチローさんみたいな勝負強い打者になって、勝ちにつながる活躍をしたいです」。広陵(広島)との1回戦(26日)に向けて「今のところ状態は良い。ついに始まるんだという気持ちになってきました。甲子園に人がたくさん入ったら違う景色が見えるんだろうなと思う」と胸躍らせた。

もっとも印象深い一打に、09年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の韓国戦で延長10回に放った中前適時打を挙げた。「それまであまり打てなくても、しっかり修正して結果を残す姿は格好良かった」。昨秋の東北大会制覇以降、さらに相手投手に食らいつく強さを磨いた「サメ打線」。3番・武岡龍世内野手(3年)、4番・近藤遼一内野手(3年)ら破壊力は抜群だけに「下位の自分にチャンスが回ってくる」と闘志を燃やした。

東北大会や明治神宮大会では調子の波が大きかったが、厳冬青森の室内で振り込み、ミート力には自信を得た。安打量産だけでなく、勝負どころのイチ打で有言実行を果たす。【鎌田直秀】