開幕試合でイチローばりの「忍者走塁」が飛び出した。呉が9回表1死三塁で、途中出場の5番真田和弥内野手(3年)がスクイズ。ボールはほとんど転がらず、タイミングは完全にアウトだったが、三塁走者の沼田歩外野手(3年)が絶妙な走塁。本塁手前でスピードを緩め、捕手の動きを確認しながら体をくの字にしてタッチをかわし、回り込んで同点の生還を果たした。

21日に引退を表明したマリナーズ・イチロー外野手(45)が、メジャーでたびたび披露したトリッキーな走塁をほうふつさせて、沼田歩は「(打球が)前に転がって危ないと思ったけど、必死でタッチをよけました。コールを聞いて『ヨッシャー』と思いました」と振り返った。

延長11回裏2死二塁の守備では、ワンバウンドの中前打を処理。だが「止まって捕った形になり、勢いをつけることができなかった」とダイレクト送球できず、中継の間にサヨナラ走者の生還を許し、涙した。