名門・掛川西が、7-2で浜松湖北を破り、初戦を突破した。2回表無死二、三塁で7番高林大暉内野手(2年)が右前へ先制打。5回にも中前へ適時打を放つなど、2安打3打点の活躍でチームをけん引した。同校は26日の2回戦で、昨秋の西部地区王者・浜松西と対戦する。湖西は11-2の7回コールドで遠江総合・磐田北・佐久間の合同チームを下し、2回戦へ駒を進めた。

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高林が掛西打線に勢いをつけた。今年最初の公式戦。緊張の中で「前の打者がつないでくれたので、自分のできることをしよう」と、外角への投球を素直に打ち返し、右前へ運んだ。その後は打線もつながり、10安打7得点。快勝した。大石卓哉監督(38)は「序盤はみんな硬かったが、点が入ってベンチの雰囲気も上がった」と、先制の場面を振り返った。

昨秋、チームは地区初戦で磐田東に敗れると、敗者復活戦でも聖隷クリストファーに敗れ、県大会出場を逃した。高林は「守備で足を引っ張っていた。あの悔しさをバネに冬は徹底的に守備を鍛えてきました」と話す。同じ二塁手として昨夏の静岡大会4強メンバーだった兄幸汰(今春から国学院大1年)からの教えも受け、この日の試合では計9度の守備機会を無失策。「初戦で硬くなるかと思っていましたが、落ち着いて処理できました」と胸を張った。

浜松市浜北区出身。地元浜北球場で行われた初戦でヒーローとなったが、浮かれる様子はない。「県大会出場を目指しているので、1つ1つの試合に全力で臨みたいです」と話した。名門復活へ向けて幸先の良いスタート。伝統校掛西の「巻き返しの春」が、始まった。【河合萌彦】