龍谷大平安(京都)が延長11回におよんだ息詰まる投手戦を制し、京都勢の春夏通算甲子園200勝を達成した。昨夏の同校の甲子園通算100勝に続くメモリアル星。エース野沢秀伍投手(3年)が11回を完封した。

プロ注目の津田学園(三重)・前佑囲斗投手(3年)との投げ合い。相手打線より手ごわい? 敵と闘っていた。2日前から胃腸炎にかかっており、腹を下していた。気弱そうな顔から野沢を「じじい」と名付けた原田監督も「球速が出ない。心配していた」とハラハラ。「下痢のせいかな…。力が入らなかった」と野沢も苦笑い。だが力で押せない分、逆に持ち前の制球に細心の注意を払った。

本調子より平均で5キロほど遅い130キロ前後の直球をコーナーに決め、宝刀チェンジアップを低めに決めた。3回、4回のピンチは最後を中飛で切り抜け、5回2死三塁は左打者の大音壱汰内野手(3年)から直球で空振り三振。9回からの3イニングは3人ずつで片付け、完投した。

「(緊張で)ちょっとチビっていた選手もいたと思ったけど、しっかり守ってくれてよかった。下半身を使って低めに低めにと気をつけて投げました。エースの対決として負けられない、と思っていました」。頼れる左腕は少しもチビらず、踏ん張って132球を投げ抜いた。