高松商(香川)が敗れ、大正、昭和に続く「3元号優勝」は、新元号に持ち越された。

先発は中塚公晴投手(3年)。初回2死から高めに入った直球を左翼スタンドに運ばれ、先制を許した。「すぐ切り替えようとしたけど、なかなか制球が定まらなかった」と4回途中6安打5失点で降板した。代わって初戦で13奪三振の好投を見せたエース香川卓摩投手(3年)が登板したが、四球と中前打を浴びるなど流れを止められなかった。

中塚の大叔父は元大洋で盗塁王にも輝いた中塚政幸氏(73)。先発が決まっていた前日には、初戦に来てくれたお礼を電話で伝え「甲子園楽しめよ。頑張れよ」とエールを送られたという。大叔父もPL学園時代に3度踏んだ聖地にたどり着いたが、ほろ苦いデビューになった。試合後は涙がぽろぽろとこぼれた。「小さい時からあこがれていた場所。ワンプレー、ワンプレーにお客さんの声援がすごかった」。次こそ大歓声の中でベストピッチを見せる。