東邦(愛知)の二刀流、石川昂弥投手(3年)が投打で、30年ぶりのセンバツVの原動力となった。

バットでは、1回1死一塁から左腕山内翔大投手(2年)のスライダーを捉え、バックスクリーン右に先制2ラン。さらに5回2死二塁で、飯塚脩人投手(3年)から右中間席にこの日2発目となる2ランを運んだ。8回には先頭打者として二塁打を放ち、貴重な追加点を呼び込んだ。

投げては全5試合に先発。前日1日の準決勝では143球を投げて9回2失点完投していたが、この日もマウンドでコーナーを巧みにつく投球。好フィールディングも随所にみせ、3安打で完封勝利。二塁も踏ませなかった。

お立ち台で「甲子園で優勝することを目標にやってきた。達成できてうれしい。自分の力を出し切るだけと思っていた。それができたと思います。(本塁打の1本目は)打った瞬間にいったと思った」と喜びを言葉にした。

森田泰弘監督(59)は「平成最後の優勝を何が何でも私たちで成し遂げようとやってきた。ホッとしたのとうれしい。石川には今日は1人で投げて打ってやってくれと言った。たいしたもの。やってくれた」。指揮官は4日が誕生日で、最高の還暦を迎える。