新潟明訓が「平成最後の日」に586日ぶりの公式戦勝利を挙げた。新津南に8-0の7回コールド勝ち。エースの右腕山本大凱投手(3年)が6回を2安打無失点に抑えて自身の公式戦初勝利、今春から就任した島田修監督(53)にとっては同校での初陣勝利になった。

勝ちたかった。思いの強さが結果につながった。「素直にうれしい」。新潟明訓・山本はマウンド上のポーカーフェースを崩し、試合後は笑顔になった。チームにとっては17年9月21日の秋季県大会準々決勝・加茂暁星戦以来、そして自身の高校での公式戦初白星をしっかりとつかみ取った。

6回、66球を投げて2安打5奪三振の無失点。2-3でサヨナラ負けした昨秋の1回戦・村上戦以来の先発だった。「絶対に勝たなければならなかった」。新潟明訓は昨年の春、夏、秋とすべて初戦敗退。気合が入った。

1、2回はともに内野安打で走者を出す。少しの空回りが立ち上がりに出た。それでも「3回からは落ちついて投げられた」と3回以降は「完全」。外野に運ばせたのは右飛と中飛が1つずつ。テンポよく直球主体に投げ込み三塁を踏ませない。10安打で8得点のバックの援護もあり、7回は斎藤琉生投手(2年)にマウンドを譲った。

冬場は20キロのバーベルを使ったスクワットなどで体力アップを図った。島田監督からは「メリハリをつけて投げるように」とアドバイスを受けた。「7、8割の力で投げて、ここぞ、というときに力をいれる」(山本)。成長を意識していたことを形にしたマウンドだった。

島田監督は「エースらしく投げてくれた」と山本の好投をたたえた。今春に監督に就任。新潟明訓での初勝利をプレゼントしてくれた選手に「春は試合をしながら成長してほしい」と期待する。新監督の思いに、エースが応えた。「この勝利で弾みをつけて、もっと勝っていきたい」。山本は新生・新潟明訓の快進撃を誓った。【斎藤慎一郎】