鵡川が、昨秋まで3季連続道大会出場の北海道大谷室蘭を7回コールドで下し、代表決定戦に進出した。

1点リードの4回、先頭打者の4番玉栄(たまえ)永遠(とわ)一塁手(3年)が、公式戦1号となる左越えソロを放ち今大会初打点。主砲の一打で伝統の“ししゃも打線”に火が付き、この回3点を奪い、流れを引き寄せた。

豪快な1発でスイッチを入れた。4回、ファウルで粘った玉栄は、甘く入った8球目の直球をフルスイングした。打球は一瞬で左翼場外に消える公式戦1号ソロ。喜びに浸る間もなく、伝統の全力疾走で本塁まで猛ダッシュで駆け抜けた。難敵を倒し「4番が打たなきゃという思いで打席に立った。チームに貢献できて良かった」と振り返った。

2回戦まで計5打数1安打で打点はゼロ。打線の柱としてチャンスで結果を出せず、15日の静内戦後、国井恒太朗コーチ(26)から「体が前に突っ込んでいる」と指摘を受けた。打てない焦りから崩れたフォームを修正。この日最初の打席は詰まって三飛に終わっていたが「タイミングは合っていた」と手応えをつかみ、2打席目での1発につなげた。

4月28日、北海道大谷室蘭との練習試合はAチームが1-2で敗戦。B、Cチームも負け3連敗だった。その相手にコールド勝ちで雪辱し「次の試合も自分らしいフルスイングで臨みたい」。カレーライス好きで、通常はご飯1杯も、カレーのときだけ3杯食べる。好きな物を気持ちよく食べる食事スタイルを貫き、昨春から1年で体重が11キロ増え、91キロになった。「体が大きくなり、飛距離が格段に変わった」。“カレーなる”変身を遂げた長距離砲が、17年夏以来、5季ぶりの道大会へとけん引する。【永野高輔】