神奈川県高野連・栗原豊樹専務理事(57)が、組み合わせ抽選会に出席した181校の球児たちに「フェアプレー」を訴えた。

抽選会の最後に壇上に上がり、呼びかけるように話し始めた。

「このシーズン、春に入って以来、話題になっています。相手のサインを見て、打者に伝達する行為についてです。これは禁止行為です。チーム内でそういう行為がもしあったら見逃さないで、注意してほしい」

走者が一塁を駆け抜ける際の一塁ベースコーチの「セーフ」のジェスチャー、さらには過度のガッツポーズとともに、マナー順守の上での禁止行為とした。「相手や審判員に敬意をもって試合をしよう。これが私が思うところのフェアプレーです」と話した。

球児たちは、どんどん話に引き込まれていく。

「最後まで負けないのは1校しかない。どういう結果が出ても、何らかの後悔は心のどこかに残る。でも最後まで全力を尽くすこと、正々堂々戦うこと、これは全員ができることです。大会が終わった後に、これだけはできたという指標になるのではないかなと思います。試合結果はそれぞれ出ると思うけれど、気持ちのいい試合をしてほしい。全力で正々堂々戦って、胸を張って誇れる財産にしてほしい。181校いたら、180校は必ず負けるんだ。でもそこに悔いを置いていかれたら困る。君たちが将来に向け糧にする材料となるように、取り組んでほしい」

栗原専務理事は最後に「必ずチームのみんなに、このことを伝えてもらいたい」と笑顔で強調。球児たちも真剣な表情でうなずき、それぞれの高校へ戻っていった。