第101回全国高等学校野球選手権大阪大会の、3回戦までの組み合わせ抽選会が21日、大阪市内で行われ、大阪桐蔭は初戦を15日、東淀川と戦う。今春のセンバツに出場した履正社は、14日に池田と初戦を戦うことが決まった。

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「悔しさ」がチームを変えた。昨夏は史上初の2度目の春夏連覇達成も、今年のチームは今春のセンバツに落選。5季連続の甲子園出場を逃した。落選後は、練習を全力でやりきれない者、その場しのぎのプレーをする者もおり、気持ちを立て直しきれない部員の姿も多くあったという。

落胆に包まれたチームが再起の兆しを見せ始めたのは、3月23日。今春のセンバツ開幕当日だった。中野波来主将(3年)と宮本涼太副将(3年)の2人だけで優勝旗を返還。その姿こそがチームを変えた。

「部員はテレビで見て、今まで以上の悔しさが出てきたと思う。見えてこなかったものが見えて、行動も変わってきた」と中野は振り返る。練習メニューの意味も個々で考えるようになった。春の府大会は5回戦で敗退も「負けをプラスにした」と言い「悔しさの維持」をテーマに掲げる。気の緩んだプレーがあれば指摘し合い、張り詰めた空気がグラウンドに広がる。

必勝の金言も受け取った。今月上旬、吉沢一翔(早大)福井章吾(慶大)中川卓也(早大)ら直近3代の主将が同校グラウンドを訪問。ミーティングで「夏を勝つために何が必要か」について、個々が考えるよう現部員に伝えたという。「気が引き締まりました」と部員も感謝する。

平成の甲子園では春夏通算最多タイの8度優勝。「第1回の令和の大会に(大阪)桐蔭の名を刻めるようにしたい」と中野。苦杯をなめたチームが夏こそ意地を見せる。【望月千草】