優勝候補の上田西が、7回コールドで長野を下した。

2年生エースの阿部巧雅投手が、制球に苦しみながら徐々にペースをつかみ、5回を5安打10奪三振で得点を与えなかった。阿部は「今日は良くなかったです。コントロールがもう少しでした。与えた四球(2個)も内容が良くなかったです。宮坂さんのリードを信じて投げました」と浮かれた様子もなく謙虚だった。

原公彦監督(48)は好投した阿部について「四球は良くなかったですが、よく投げたと思います。これで使えるのがわかりました」と、ほっとした様子だった。肩を痛めて昨秋から公式戦を遠ざかっていた。5日の佐久平総合技術との練習試合で、自己最速の143キロを出し、復調の兆しはあった。エースが夏に間に合ったことで、上田西のチーム力は大きく上がったことになる。

打線も4番の宮坂愛斗捕手(3年)を中心とした、連続性ある打線が機能した。3回には1死一塁で宮坂の打順でエンドランをかけて2死二塁の形をつくり、5番小林裕貴内野手(3年)が確実に適時打を奪って貴重な4点目を奪っていた。小林裕は「日ごろから、宮坂が場面に応じたバッティングでチャンスを広げてくれるので、僕は気持ちが楽に打席に入れます」と、重圧を感じることなく2安打した背景を説明した。

4年ぶりの夏制覇へ、まずは確実なスタートを切った。