3季連続の甲子園出場を目指す広陵が、開幕試合で7回コールド勝ちを収めた。

プロ注目のエース河野佳投手(3年)が苦しみながらも、5回2/3を3安打無失点に抑えた。序盤、ボールが高く浮いた。「マウンドに慣れようと思ったけど、うまく修正がきかなかった。硬かった。こんなに硬いのは初めてです」。マツダスタジアムでは今季からメジャー仕様の土「ブラックスティック」を使用。従来より掘れにくく硬いものになっていた。加えて西条農打線は初球から強振。球数は増えたが、粘り強く投げ続けて四球は1つ。要所で三振を奪い、ピンチは作らなかった。

今夏の目標は「勝てるピッチャーになること」。今年のセンバツ2回戦で、東邦に先制を許し流れを止められずに敗れたことがきっかけだった。「悪いなりに点をやらないピッチングができた」とこの日は失点を許さなかった。

中井哲之監督(57)はこの日の課題に「河野のコントロールとバントの下手さと足の遅さ」と笑顔で話したが、それも期待するからこそ。「有原(現日本ハム)もいたけど、広陵のスピードガンで150出る子はいなかった。スピードだけでいうと抜けてますね」。

この日は6回2死から石原勇輝投手(3年)がマウンドに上がり、7回1死から高太一投手(3年)、2死から森勝哉投手(3年)と小刻みに継投。中井監督は「投げるかもしれないピッチャーを投げさせたかった」と説明した。次にマツダスタジアムが使用されるのは決勝戦。頂点を見据えながら、広陵が快勝発進した。