千葉県内で注目の好投手、我孫子の綾部郁海投手(3年)が3回戦で敗れた。

最速140キロの真っすぐと、大小に変化するスライダーのコンビネーションで三振を奪うのが持ち味。前半はフォームに苦しみ、得意な変化球が狙われた。高めに入ったところを強打され、5回までに8安打3失点。いずれも、打たれたのは変化球だった。「今大会初めてのマリンスタジアムで、緊張してしまった」と前半を振り返った。

6回以降は本来の投球を取り戻し、9回までに6奪三振で無失点に抑えるも、時すでに遅し。前半の失点を取り返すことができず敗れた。

「千葉県内の速球投手に負けたくなかった」と、この冬は、ウエートトレーニングに力を入れ、下半身が安定。春を迎え最速140キロを記録した。「このチームは、高校で野球をやめるヤツがたくさんいるので、みんなで1試合でも長く野球をしたかったんですが…」。エースとして勝利に導けなかった悔しさがにじみ、ギュッと唇をかんだ。

我孫子は過去2回、夏の甲子園に出場。OBに阪神の和田豊テクニカル・アドバイザー(TA)がいるなど、地元では名門復活の期待は大きかった。「まだ心の整理がついていません。あっという間で…」。綾部の名門復活にかけた夏が終わった。