京都共栄学園の神前俊彦監督(63)が、就任後初の4強に進出した。

神前監督は全日空勤務のかたわら、82年に当時26歳で母校の春日丘(大阪)を率いて夏の甲子園に出場した経験をもつ。大阪大会では、同年春のセンバツ優勝校のPL学園を準々決勝で破り、公立勢としては23年ぶりに出場した勢いのまま甲子園でも1勝を挙げた。83年に退任し、97年に再就任。14年12月に退任後は母校の関学大アドバイザーなどを務めていたが、16年5月から京都共栄学園の監督に就任していた。

4強は同校の最高成績タイで、前回は監督就任の前年に達成された。しかし神前監督に油断はない。「喜びは全くない。就任前の成績に戻ったということ」とし、「4強の中では1番弱い。しかし、弱くても通過点。甲子園を目指さないといけない」とあくまで目標は甲子園出場であると明言した。

同校のグラウンドは3月にのり面が崩落。グラウンドは他の部活と共同で使用している上に、崩落で二塁ベースがない状態になっている。「恵まれていなくても勝てる。不平不満を言わない。できることを考える」と選手に教え、限られたスペースで練習をしてきた。

この日は永川聖人投手(3年)が完封。普段から「低めにストライクを投げ続ける」という神前監督の教え通りに投球できた結果だという。「入学当時から監督に指導してもらっている。一緒に甲子園に行きたい」と話した。

準決勝では京都国際と対戦する。「逆境を乗り越えて粘りがついた。粘り強さで勝つ」と指揮官は話した。【南谷竜則】