全国高校野球選手権(8月6日開幕・甲子園球場)の県代表・日本文理(2年ぶり10度目出場)は28日、同校グラウンドで練習を行った。

9番打者の小林未来雄(らいお)中堅手(3年)が県大会の好調を持続している。東京学館新潟との決勝(24日)で3打点を挙げるなど、勝負強さを見せた。「脅威の9番打者」が甲子園でもチームを勢いづける。

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堂々とした構えの迫力とスイングの力強さは県大会を終えても変わらない。「維持できている」。小林未は甲子園に向けた打撃練習で好感触を得ている。

鈴木崇監督(38)は「1、2番と同じ仕事をしてくれている」と小林未が9番にいる効果を話す。中軸が出塁した後、8番打者の斎藤現起右翼手(2年)と小林未でかえす。またはチャンスをつくって上位につなぐ。決勝の東京学館新潟戦で小林未は4打数2安打3打点。鈴木監督の期待通りにポイントゲットとチャンスメークの両方をこなした。県大会6試合で計5打点はチーム内3位タイだ。

「自分は長距離打者ではない」と言う。ただ、パワーには自信がある。筋トレはほぼ毎日行い、ベンチプレスの最高は110キロ。「多分、チームで1、2」と自負する力持ちだ。鍛えたのはスタンドインを狙うのではなく、中堅の頭を越える強い打球を生むため。東京学館新潟戦の2安打はいずれも中堅方向で1本は二塁打。大勝負の一戦で理想の打撃ができた。

長野・佐久市出身。14年夏の4強進出を見て、日本文理への進学を決めた。父哲雄さん(45)は丸子実(現丸子修学館)の内野手だった。チームは1、2年時に夏の甲子園に出場したが、哲雄さんはプレーしていない。「『自分の分も』と思っているかもしれない」と父の胸の内を察した。そして「どんな形でも出塁したい」と、がむしゃらにプレーすること誓った。【斎藤慎一郎】

◆小林未来雄(こばやし・らいお)2001年(平13)4月19日生まれ、長野県出身。望月小1年から野球を始める。望月中では上田南シニアに所属し、外野手、一塁手、投手を兼任。日本文理に入学し、1年の秋に初めてベンチ入り。昨秋の北信越大会は背番号「9」、今春の県大会から背番号「8」。好きなプロ野球選手はオリックス吉田正尚、ヤクルト雄平。175センチ、78キロ。左投げ左打ち。