秋田の中央地区予選では、昨夏甲子園準Vの金足農の新チームが1-8で秋田に敗れ、来春のセンバツ出場につながる県大会出場へ黄信号が点滅した。

3年生が引退し、甲子園メンバー全員が入れ替わる中、1年生4人がレギュラー入り。だが2投手の継投で計13安打を許し、打線は2安打に抑え込まれた。発展途上のチームは6日からの敗者復活戦に回り、2連勝が条件の県切符獲得に再挑戦する。

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センバツへの道が険しくなった。金足農は今夏の秋田大会でエース格を任された山形琉唯投手(1年)が左翼守備に回り、サイドとスリークオーターを使い分ける背番号20の変則右腕・小柳友人(2年)が先発。立ち上がり、初球を右翼線二塁打にされ、さらに1死二、三塁から中犠飛で先制点を奪われた。6回には四球からスクイズなどで3者連続失点。右翼から救援した鈴木太晟(1年)も3回1/3を5安打3失点(自責2点)と打ち込まれた。菊地翔大捕手(1年=写真は題字)は「打たせて取るつもりでしたが配球が悪かった」と肩を落とした。

夏のレギュラー格5人が残る秋田に経験値の浅さを突かれた。打線は0-2の4回2死から2つの敵失を誘い、5番米谷滉亮(こうすけ)内野手(1年)がチーム初安打となる中前適時打。だが2投手の継投の前に12三振を献上し、2安打に抑え込まれた。就任後、新チーム移行の初公式戦で過去最多の1年生を先発起用した中泉一豊監督(47)は「(現在の)ベストメンバー。まだ体が小さくてパワーもスピードも足りない。最終的には上の学年が入ってこなければ」と2年生の奮起を促した。

今春は地区予選の初戦敗退で県大会出場を逃しており、夏は延長13回タイブレークの末に3回戦敗退。先輩たちの悔しさを晴らす良薬は結果しかない。中泉監督は「もう後がない。(夏と)違うチームなので、何とか勝ち上がって経験値を積ませたい」と、背水の陣で敗者復活戦に臨む。【佐々木雄高】