新体制で夏春連続の聖地を目指す。今夏の甲子園に2年連続出場した北照に、13年センバツ8強左腕のOB大串和弥氏(23)が外部コーチとして就任し、1日から本格的に指導を開始した。主に投手強化を担当する同氏は「選手と年が近いので、精神的な支えにもなれたら」と意気込んだ。

同氏は今春の地区敗退後に臨時コーチでエース兼4番桃枝丈(3年)らを指導。南大会2連覇に貢献した。7月までは家業の農業を手伝いながらのため指導日は不規則だったが、8月から建築会社・小鍛治組に「アスリート採用」として就職。平日1日を母校指導にあてられる勤務形態となり、土日含め最大週3回、定期指導が可能になった。

北照では1年秋からエース背番号を背負い、3度甲子園経験も、法大では肩を負傷し、4年間1度も公式戦に登板できなかった。上林弘樹監督(40)は「華やかな舞台も苦労も知っている。そういう経験を還元してくれたら」と期待。主戦の左腕大畑佳介(2年)は「同じ左の大串さんからいろんなことを学び、レベルを上げたい」と話した。

昨秋のスタート時より30人近く多い61人での船出。今秋からは上林監督、大河恭平部長(32)、渡辺隆太コーチ(26)に大串氏を加えたスタッフ4人体制で、大所帯をまとめる。大串氏がエースだった12年以来7年ぶりの秋王座をたぐり寄せる。【永野高輔】

▽北照の新チームは沖元涼(すずか)投手(2年)が主将を務める。昨年9月、今年7月と2度の左ひじ手術を受けており、今秋は主に三塁コーチャーで、精神的支柱としてもチームをけん引する。1年時から学年リーダーで、上林監督が担任するクラスの学級委員も務める。「試合に出られない分、ベンチの中や打者にいろいろな形で声をかけ支えたい」。投手としては来年2月復帰予定。まずはセンバツ切符をつかみ、聖地での復活を見据える。

◆大串和弥(おおくし・かずや)1996年(平8)1月30日、南幌町生まれ。南幌小1年から南幌リトルタイガースで野球を始める。北照では1年春の全道大会からベンチ入り。同秋から背番号1を背負い12年春、13年春夏と3度甲子園出場(13年春は8強)。18年3月に法大を卒業。家族は両親と姉、弟。171センチ、70キロ。左投げ左打ち。