今夏の高校野球新潟大会8強の中越の左腕エース・菅井道(るうと)投手(3年)が11日、プロ志望届を提出した。

28日には広島の入団テストを受け、その上でドラフト会議(10月17日)を待つ。高校ではケガに泣いたが、最速141キロの左腕に秘められた潜在能力の高さは関係者も周知。不完全燃焼で終えた高校野球の悔しさを胸に最高レベルを目指す。

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迷いはない。「やってやろうという気持ち」。ターゲットをプロ入りに絞った菅井は堂々としている。まず28日には広島の入団テストが待つ。「もっと体の切れを出したい」と走り込みと週に1度の投球練習を続けてきた。部活動こそ離れたが、精神的にはシーズン中と同じ強度を保っている。

春先からプロ側が興味を示していた。夏休み中にも投球練習を視察された。ドラフト会議では本指名はもちろん、「育成でも行きたい」。同校OBには育成指名でプロ入りしたソフトバンク渡辺雄大投手(27)がいる。「本人の意志の強さ次第」。本田仁哉監督(43)を通じて、渡辺からのアドバイスも届いた。

夏の県大会準々決勝で東京学館新潟に敗退後、すぐに進路を決めた。最速は141キロ。「球速以上に球質の重さがある」と本田監督は能力の高さを買う。そして精神面も「表には出さないが、勝負どころで力を入れられる。マウンドでおじけづくことはない」と評価している。

1年生のオフに腰を痛め、昨年の12月には左ひじに内視鏡手術を施した。全力で投げられるようになった今夏は3試合に登板した。最後の東京学館新潟戦は2番手で3回2/3を2安打5奪三振の無失点。好感触のまま高校野球を終えた。その分、「もっとやれた。不完全燃焼」ともどかしさがある。それがプロ入りを目指す原動力にもなった。「最後まで気を抜かない」。テンションを上げて10月17日を待つ。【斎藤慎一郎】

◆菅井道(すがい・るうと)2001年(平13)7月21日生まれ、阿賀野市出身。山手小4年から野球を始める。安田中では少年硬式野球NGMで野球に取り組む。中越では1年の秋からベンチ入り。好きなプロ野球選手はDeNA今永昇太。184センチ、84キロ。左投げ右打ち。