ファイナルで激突する2校が決まった。藤枝明誠は、延長11回に6番斎藤龍幸内野手(2年)がサヨナラ打を放ち、3年ぶりに決勝に進んだ。

加藤学園は、エース肥沼竣(2年)の力投と3番大村善将内野手(2年)の一発で、18年ぶりの決勝進出。両校は、東海大会(10月26日開幕、岐阜県)の出場権も獲得。決勝は、28日に草薙球場で行われる。

   ◇   ◇   ◇

6番斎藤が、藤枝明誠に劇的勝利をもたらした。7-7の延長11回裏1死満塁で打席が回った。「ここで決める」。内角低めの直球を捉え、中前に運んだ。3時間11分の熱戦に終止符を打ったヒーローは、次々とベンチを飛び出す仲間とハイタッチを交わした。

主将の姿に奮い立った。5点の劣勢を終盤の猛攻で縮め、1点差とした9回2死一、三塁。4番村松杏都(あんと)内野手(2年)が、投ゴロの当たりに一塁へヘッドスライディング。執念の内野安打で同点とした。斎藤は「必死につないでくれた。スイッチが入った」。高ぶる気持ちが勝負どころでバットに乗った。

不振続きだった今大会。県大会前には、昨夏から務めた4番を外された。だが、4打数無安打に終わった浜松開誠館との2回戦の後、打撃フォームを微調整。「すり足」をやめ「少し足を上げて」タイミングを取った。前日21日の準々決勝では4安打4打点。この日も3安打3打点と、完全復活も印象づけた。

決勝では、加藤学園と対戦する。斎藤は「東海大会は、最低限の目標。甲子園で勝つことを目指して勝ち続けていきたい」と力強かった。まずは、県王者として東海大会へ-。次も快音を響かせる。【前田和哉】