前橋育英が伝統の守りの野球で高崎健康福祉大高崎に5-0と勝利し、2年連続で関東大会出場を決めた。

1年生エース・菊池楽投手が高崎健康福祉大高崎の強力打線を封じ込めた。インコースへの真っすぐとスライダーを際どいコースに決め、6回を投げ2安打0封に。7回に入るときには下半身がつってしまい降板するも、2番手で登板した武藤翔也投手(2年)も残り3回を1安打に抑え、完封リレー。荒井直樹監督(55)は「今日は2人がよく投げてくれました。健康福祉大高崎打線を(2人で)3安打に抑えるなんて。新チームになって一番の試合ですね」と、笑顔で称賛した。

若きエース菊池は、日々進化している。22日、準決勝の対戦相手が高崎健康福祉大に決まると、課題であった左バッターへのインコースへの練習を開始。左打者が立つホームベース、ギリギリの位置にネットを置き、捕手にもネットギリギリに構えてもらった。「勝つために腹をくくって。投げるしかないと思った」と約60球、2回の投げ込みを行い、準決勝に備えた。

「この練習のおかげで、しっかりコースに突く投球ができた。投球の幅が広がりました」とニッコリ。1週間前とは別人の投球で、圧倒した。

「背番号1」は菊池自身も、予想していなかった。背番号を渡される際、一番最初に名前を呼ばれ、あまりの驚きに返事もできなかったほど。しかし、今やチームの大黒柱だ。「優勝して関東大会に勢いをつけたい」と自信を覗かせた。

強豪・前橋育英を背負う1年生エースが、この秋、旋風を巻き起こすかもしれない。