今秋ドラフト最注目の1人、星稜・奥川恭伸投手(3年)が29日、プロ志望を明言した。茨城国体の開幕戦で智弁和歌山に1-3で敗退。試合後、プロ志望届を提出予定であることを明かした。この日は阪神、中日、ロッテが視察。トップクラスの評価を受ける最速158キロ右腕は1位指名競合が確実視される。

      ◇       ◇

奥川が決意を口にした。「(志望届を)出すことに決めました。元々やりたいと思っている中で、簡単に出せるものではないと思っていました」。ドラフト1位候補との声にも「簡単な世界ではない」と繰り返し、謙虚な姿勢を貫いてきたが、自らの口で進路をプロに固めたことを明かした。 背中を押したのは両親だった。林和成監督(44)を含めて話し合いを重ねてきた。国体に出発前。両親から「最後に決めるのは自分」という言葉をもらった。己の胸に問い、「自分の意思で挑戦したいと思ったので(提出を)決めました」と口元を引き締めた。

この試合は両校同意の下、木製バットを使用。3回に150キロをマークしたが、3回2/3を6安打2失点でチームは敗れた。「金属より思い切っていけると思う。今日はそれが出来なかった」と高校最後のマウンドは苦笑いの結果となった。

評価は揺るがない。今夏の甲子園準Vはもちろん、U18W杯カナダ戦でも7回18奪三振と圧倒的な投球を披露。1位指名競合が確実視されるドラフト会議は10月17日に控える。奥川は力強く「バランスのいい投手になりたいです」と憧れの次なる舞台を見据えていた。【望月千草】