来春センバツ出場校の参考資料となる秋季高校野球東北大会の組み合わせ抽選会が4日、盛岡工(岩手)で行われた。

12年ぶり11度目出場の磐城(福島3位)は、1回戦で東海大山形(山形3位)との対戦が決まった。過去2年、21世紀枠の県推薦校となった古豪は、自力での甲子園出場を狙う。大会は11日から岩手県営、花巻の2球場で行われる。

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「脱善戦」を掲げ、磐城が本気で甲子園切符をつかみにいく。岩間涼星主将(2年)は「東北はどこが相手でも強い。自分たちが一番弱いと思っている。チャレンジャー精神でやっていく」と組み合わせが決まり、気持ちを引き締めた。

昨年まで秋は2年連続県8強。文武両道も評価され、連続で県高野連から21世紀枠に推薦された。木村保監督(49)は「『いいチームだったね』で終わるのはもうやめようと。いいチームを継承しながら、勝ち切らなければダメ」と意識改革を促した。新チーム始動後は勝負にこだわってきた。1日2試合の練習試合では、通常2試合目は勝負度外視になりがちだが全力で戦い、勝利を求め続けた。

成果は表れた。いわき支部大会は、準決勝で春の王者・東日本国際大昌平を撃破するなど1位突破。県大会では東北切符を懸けた3位決定戦で、再び東日本国際大昌平を下した。強豪私学と渡り合えるまでになったが全く満足していない。守備が乱れた県大会後は、午後7時までの練習時間の大半を守備に充てた。東北では1つのミスが命取りになると自覚している。

71年夏は福島勢最高の準優勝に輝くなど甲子園は夏7度、春2度の古豪も、95年夏を最後に聖地から遠ざかる。岩間主将は「21世紀枠の意識は全くない。東北で勝ち上がり、甲子園に行こうと秋から死にものぐるいで練習してきた。やってやるぞという気持ちです」と、自力での甲子園行きを熱く誓った。【野上伸悟】