北信越大会初出場の新潟産大付は、エース西村駿杜投手(1年)が好調だ。県大会決勝は、北越に5-11で敗れたものの、7回から登板し、3回を投げ7奪三振、無失点の快投を見せた。大会初戦で対戦する佐久長聖(長野2位)にも、その好調な投球で果敢に挑む。

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まだ15歳のあどけない童顔は、決意で引き締まっていた。西村は「先発して、一気に流れを持ってくる投球をしたい。最初から全力で1人1人、抑えていきたい」と話した。県大会は、1度も先発機会がなかったが、「先発」を口にするのはエースのプライド。吉野公浩監督(52)も「やってもらわなければ、いけない選手」と期待した。

県大会決勝は、3人目の投手として登板し、3回7奪三振無失点の好投。5日に行った長野西との練習試合(11-2で7回コールド勝ち)では先発し、5回を無失点に抑えた。同試合で記録した直球の最速は131キロ。県大会4回戦の新潟明訓戦、同準決勝の巻戦は「制球が全然、ダメだった」が、コンディションは上向きだ。北信越に向け、好感触を残した。

「北信越で対戦する打者は県大会とはレベルが違うと思う」。西村は、初戦の相手・佐久長聖の打者への警戒を緩めていない。しかし、プレッシャーはない。「自分以外にもいい投手はいる」と、県大会で主に先発を務めた和田昂樹二塁手(2年)らの存在が、心を軽くしている。しかも、燕中3年の昨年には、リトルシニア日本選手権に新潟リトルシニアのエースとして出場。2回戦で、優勝した静岡裾野に敗れたものの、1回戦の新宿戦では5-1で完投した。大舞台の緊張感は経験済みだ。

初出場の新潟産大付の目標は、今夏の甲子園準V校・星稜(石川1位)との対戦だ。2勝すれば可能性が高まる。そんなチームの思いを背負って、1年生エースはマウンドに立つ。「直球を生かして、変化球を決め球とカウントを取る球にしたい」。西村には北信越の投球プランができていた。【涌井幹雄】

◆西村駿杜(にしむら・しゅんと)2003年(平15)10月26日生まれ、燕市出身。燕北小1年から野球を始め、燕中時代は、少年硬式野球の新潟リトルシニアに所属。高校では、1年春からベンチ入り。今秋から背番号1をつける。持ち球は、直球にカーブ、スライダー。174センチ、65キロ。右投げ右打ち。