秋季東北地区高校野球大会は17日、岩手県営野球場で準決勝2試合が行われる。

来春センバツ出場をかけた決戦を前に、盛岡大付(岩手1位)、仙台育英(宮城1位)、鶴岡東(山形1位)、仙台城南(宮城3位)の4校は岩手県内各所で調整を行った。79年以来2度目のセンバツを目指す鶴岡東は、今夏の甲子園で2勝を挙げた3年生3人がチームに合流し、夏春連続出場をバックアップする。

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前身の鶴商学園時代以来、41年ぶりのセンバツ出場がかかる大一番を前に、栄光の甲子園戦士が加わった。丸山蓮外野手、相川陽投手、田中大聖外野手の3年生トリオが、急きょ練習に合流。前日(15日)の青森山田との激闘を考慮し、この日は軽めの調整も、3人がいるだけで空気が変わる。佐藤俊監督(48)は「助かります。うちは夏が終わっても引退という言葉は使わないので」と、引退後も一緒に練習する現役バリバリの助っ人を歓迎した。

夏の甲子園は1回戦で高松商に6-4、2回戦ではセンバツ準優勝の習志野に9-5と打ち勝った。3回戦で関東第一に延長サヨナラ負けで16強止まりも、全国から称賛された。習志野戦で県勢初の2打席連続本塁打を放った丸山に至っては、今でも道行く人から声をかけられるほど地元では有名人になった。

甲子園に出場すると新チームの始動は遅くなり、秋季大会は不利になりがちだが、県大会4試合で49得点と心配を吹き飛ばした。後輩たちの戦いぶりに丸山は「チャンスに強い。投手も池田(康平)、影山(雄貴)みたいにすごいのがいないけど、要所で抑える」と評価する。田中は「こんなに強いとは思わなかった。丸山みたいなレベルの高い選手はいないけど、総合力で強い」と感心する。

丸山と田中は投手も兼任するだけに打撃投手も買って出る。佐藤監督は「試合開始時間に合わせ、しっかり準備したい」と3人の力を借り、仕上げに入る。初出場の79年以来、センバツとは無縁。丸山は「何十年ぶりなんですよね。センバツでは自分たちのベスト16を超えてほしい」とかわいい後輩たちに心強いエールを送った。【野上伸悟】