エースで主将を務める明豊の最速141キロ左腕、若杉晟汰(せいた)投手(2年)が悲願の日本一奪取を誓った。

センバツで過去最高成績だった前回の4強を超える。春夏通算10度目の甲子園出場となる節目に「全国制覇」を目標に掲げた。吉報を伝え聞き、帽子を宙に投げ上げた若杉は「九州勢の思いも背負って絶対日本一を取りたい」と声を弾ませた。

昨夏、大分大会準決勝で敗退。さらには昨秋の九州大会で優勝しながら、明治神宮大会準々決勝で関東大会覇者の高崎健康福祉大高崎に延長10回タイブレークの末、サヨナラで敗れた。主将となり、その悔しさをバネに努力を重ねてきたという。川崎絢平監督(37)も「貪欲に上を目指し、チームのいい見本になっている」と成長を認めた。

年明けからすでに紅白戦に登板するなど、仕上がりは順調に来ているという。ただ球の重さやスピンのかかりについて「70パーセントぐらい」と若杉。球が高めに浮くなど修正点はまだある。だが打者の内角を突く直球はキレ抜群。武器のスライダーやチェンジアップもさらに磨き、頂点を目指す。【菊川光一】