ニュー履正社で夏春連覇だ-センバツ出場が決まった履正社は自慢の打撃に加え、岡田龍生監督(58)が狙う「足を生かした攻撃」で夏春連覇の偉業を目指す。

元阪神・関本賢太郎氏(41)の長男である関本勇輔捕手(2年)を主将で4番に据え、打ち勝つ野球を目指す一方、新たな魅力を目指している。それが走力だ。「夏に勝ったからと言ってそのままではダメ。高校生はひと冬越えると変わる。夏のウチは盗塁がなかった。そこをバージョンアップしていきたい」。岡田監督がそう話し、狙うのは走力アップだ。

知人を頼り、大経大陸上部コーチの九鬼靖太氏を講師として招いた。12月から2月までの3カ月、月1度ではあるがハードルを使ったり、動画を撮ったり、体の使い方をみっちり指導するという。

「中臀筋(ちゅうでんきん)が大事ということなどを教えてもらいました。走り方が変わってきたように思う」。最初の指導を受けた関本もそう話し、手応えを感じている様子だ。中臀筋は尻の横の方についている筋肉。片足が地面に接地した時に反対側の骨盤が落ち込まないようにバランスを取る役割があるという。

もちろんチーム最大の魅力は打力だ。昨秋の公式戦11試合で4割2分5厘、12本塁打と打線は好調。夏の栄冠を勝ち取った昨年のチームの同時期を上回る。そこに走力が加わればさらに得点力は高まるはずだ。

夏春連覇となれば過去4校しか達成していない。岡田監督は「池田高校しか覚えていないですね。あとはもっと昔ですか。全国で履正社しかチャレンジできないことですし、何回もあることではないので」。関西勢として初となる偉業に挑む。【編集委員・高原寿夫】

▽阪神坂本(履正社OB)の話 甲子園夏春連覇に挑めるのは、全国の中でも履正社だけなので、連覇を目指し、思い切ったプレーと履正社らしさを前面に出して、甲子園の舞台で暴れ回ってきてください!

▽阪神井上(履正社OB)の話 自分たちの代は悔しい結果でしたが、後輩たちなら大丈夫だと思うので、1人1人が自信を持ち、大阪代表という事を忘れずに戦ってください。『圧倒的日本一』というスローガンを忘れず、選抜の優勝旗を野球発祥の地『豊中』に持って帰ってきてください!