大村善将内野手(2年)は打線の中心だ。昨秋の公式戦では、勝負強さを発揮。チーム2位タイの10打点を稼いだ。中でも県大会準々決勝の静岡戦では、一時逆転となる本塁打。同準決勝の静岡商戦では、決勝の逆転3ランを放った。「打席では、ストライクゾーンに来た球を強く振ることだけを考えていました」。

身長172センチと、恵まれた体格ではない。そのため「中学のころから、体全体で打球に力を伝える意識でフルスイングをしてきました」。今冬はより強い力をつけるため、筋力トレーニングに励み、体重も秋の64キロから5キロ増加。打撃練習で「バットと球のインパクトの瞬間に、伝わってくる衝撃が強くなった」と、手応えをつかんでいる。

守備面では、新チーム結成時に二塁から遊撃へ転向。不慣れさもあり、公式戦13試合でチーム最多8失策を重ねた。「最後まで打球に食らいつくようにしたい」と課題を挙げた。

エース肥沼竣投手(2年)からは「大村のおかげで秋は勝てた」と言われたが、逆に「秋は、肥沼のおかげであそこまで行けたと思う」と返した。「チャンスで打つイメージはできている。甲子園では自分が打って、肥沼を楽にしてやりたい」。打のキーマンに気合が入ってきた。【河合萌彦】(おわり)

◆大村善将(おおむら・よしまさ)2002年(平14)6月23日、清水市(現静岡市清水区)生まれ。富士リトル、沼津シニアを経て、加藤学園高では1年夏からメンバー入り。1年秋からレギュラー。高校通算15本塁打。昨秋の公式戦で4本塁打を放った。右投げ右打ち。172センチ、69キロ。血液型O。家族は両親、兄、姉、祖母。

※「至誠」とは、加藤学園高の校訓で、誠実で品位のある姿勢を示す。「全ての事は心からはじまる」を部訓とする野球部にも通じる言葉です。