高校野球の静岡県大会は、春に続いて夏も中止になった。日本高野連は20日、新型コロナウイルスの影響で、今夏の甲子園大会と、出場権を懸けた地方大会の中止を発表した。戦後初となる夏の静岡大会中止を受け、県高野連の渡辺才也理事長(49)は、県独自の代替大会開催を検討する意向を示した。

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異例となる「中止」の正式決定を受け、県高野連の渡辺理事長も無念さをにじませた。約2時間に及んだ各都道府県高野連のオンライン会議を終えた午後5時過ぎに取材対応。「春と夏の両方ができず、選手が活躍できる場がなくなってしまったことは本当に申し訳ない。何て言葉をかけていいのか分からない」と神妙な面持ちだった。

各都道府県の理事長らが出席した会議の主な議題は、今後の対応についてだったという。代替大会開催に向けての注意事項などを確認した。選手の安全管理を最優先した上で、静岡県も独自の大会開催を検討していく。渡辺氏は「一番大事なことは安全面。やるのであれば無観客がベースになると思う。選手の進路も考えて、夏の期間で終わらせたい」と話した。

県高野連は来月5日に第2回運営委員会を行う。代替大会開催について話し合う予定で、「そこで何らかの方向性を示したい」と希望した。選手のコンディションや日程調整など課題も多いが、甲子園を目指す戦いの場も失った球児の思いをくみ、大会開催への道を模索していく。

現時点では来月1日から、公立高でも段階的に部活動が再開される予定だ。渡辺氏は「目標があるとないでは違う。選手のこれまでの努力が無駄にならないようなものを示していきたい」と強調した。【神谷亮磨】