交流試合開催の発表に、智弁和歌山・高嶋仁名誉監督(74)は「ありがたいことです」と声を弾ませた。「今年が最後の出場機会だった3年生は、本当に救われた思いでしょう。1、2年生も、あの場所に立つことによって、また全国を目指して頑張ろう、という気持ちになる。甲子園出場というのは、一生ついてくるものですから」と大舞台に思いをはせた。

高嶋名誉監督にとっては、海星(長崎)時代の2度の甲子園出場が人生を決めるものになった。「1度も勝つことはできなかったけれども、何にも代えがたい経験になりました。この場所に戻ってきたいと思いました」。高校野球の指導者を志し、学業、部活を両立させて日体大を卒業し、甲子園最多勝監督となった。開会式で甲子園の土を踏んだ感激が、名将の原点だ。

センバツ出場校の選手にとって、一生の宝と出合える機会が、この夏も巡ってきた。「久しぶりの出場を決めておられた学校や21世紀枠校にとって、本当に大きな決定だと思います。開催に向けて尽力された方々がおられればこそです」と、夢舞台の準備に奔走した関係者への感謝を語った。