第102回全国高校野球選手権中止にともなう県独自の代替大会が1日、岩手の2地区予選を皮切りに本格開幕した。宮古が山田を13-0の5回コールドで下し、トーナメント制の公式戦では全国1番星をつかんだ。

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午前10時57分、宮古が試合時間59分のスピード決着で勝利を刻んだ。14人の3年生全員をベンチ登録し、先発9人も3年生で固めた。2回に4安打と敵失で7点を先取すると、4回には長短6連打などで6点をダメ押し。投げてもエース右腕・阿部結翔(ゆいと)が4回を1安打。昨年の練習試合では大船渡の佐々木朗(現ロッテ)を右飛に打ち取っており、「動画で日本ハム吉田さんのスライダーの握りをスロー再生しながら練習してきた」と毎回の6奪三振。最終学年でさらに精度を高め、3年生の力で県大会切符を勝ち取った。

過去3度の甲子園出場を誇る古豪。92年センバツの開幕試合で星稜(石川)と対戦し、元ヤンキース松井秀喜氏は2発を含む4安打7打点と大暴れして「ゴジラ」へのスターダムを駆け上がった。沢田靖永監督(45)は当時の主将。「今の3年生は能力が高い。慌てず、限られた中でやってきたことを、発揮してくれた」と目を細めた。昨年準Vの大船渡に続き、同じ三陸海岸から旋風を起こす。【佐藤究】

◆主な代替大会の変則ルール 栃木と京都と兵庫は8強、福岡は4地区大会で終了し、県大会決勝まで行わない。栃木と埼玉と静岡と京都は7イニング制。広島は4回戦まで2時間制。ベンチ入りの人数制限は各大会ばらばら。茨城は背番号をつけていれば3年生は何人でも出場できる。東西東京と三重・岐阜は2大会の勝者を決める。