第3シード由利は親子鷹が3年間の集大成を迎える。父の安保天志(たかし)監督(48)と長男勇咲主将(3年)だ。10日の初戦は由利工との「由利ダービー」。甲子園出場の夢は消えたが、昨秋県4強のナインは創立100周年の夏に向けて、ブレることなく県頂点を見据える。

「前へ! 前へ! 全てを吐き出せ! キャッチ・ザ・ワン(1番をつかめ)」。グラウンドに掲げられたキャッチフレーズ。甲子園が中止になっても信念は変わらない。就任8年目の安保監督は「(秋田の)一番上を狙っていたので高野連の発表に感謝している。手に入れるものは1つしかない」と、「幻の甲子園切符獲得」を目標に掲げた。その父の影響を受けて入学した安保主将は「最後に甲子園に連れていって親孝行したいと思っていましたが、代替大会で優勝してウイニングボールを渡したい」と最後の夏に燃える。

1年夏からベンチ入り。同秋からレギュラーの「1番遊撃」でチームを引っ張る。昨秋の県準決勝は優勝した能代松陽に1-2でサヨナラ負け。第3代表決定戦も0-3で秋田商に屈し、東北大会出場を逃す悔しさを味わった。「秋田で1位になれば、今までやってきたことを確信し、大きな自信になる」と、最後まで諦めない姿を後輩たちに示す。【佐々木雄高】