プロ注目の最速145キロ右腕、東洋大姫路・柿本晟弥(せいや)投手(3年)は6回3失点の力投むなしく、初戦で敗退した。

4-5の5回無死一塁の場面で救援登板。犠打で得点圏にランナーを背負ったが、後続を抑えてピンチを切り抜けた。6回に1点を失ったが「感覚は悪くなかったです」と振り返る直球とキレのあるスライダーを武器に7~9回は無失点。打線は8回に2点を奪い、延長タイブレークに持ち込んだ。

無死一、二塁の状況から始まる延長タイブレーク。10回に犠打を許して、1死ニ、三塁とされたが、その後はスライダーで2者連続三振。「(10回を抑えた時に)勝ったと思いました」。しかし、打線は10回の攻撃で無得点に終わり、11回に竜野北の1番井上快外野手(3年)に甘く入った直球を痛打されて2点を献上。そのままチームは敗れ、柿本の高校最後の夏は7回6安打6三振3失点で終わりを告げた。

新型コロナウイルス感染拡大による活動自粛期間は、時間を見つけては白飯を食べ、体重を63キロから70キロに増やした。「キャッチャーからは(球が)重くなったと言われた。自分でも投げていて変わっているなと感じました」。昨秋に打ち込まれていたというスライダーを生かすために、直球に磨きをかけてこの日の舞台に挑んだ。

卒業後は東洋大に進学予定。後輩たちに向け「ミスをなくして自分たちの野球をやってほしいと思います」とエールを送った。【只松憲】