夏季宮城県高校野球大会は1日、楽天生命パーク宮城で決勝が行われる。22年ぶり2度目の優勝に挑む仙台は7月31日、仙台市青葉区の同校グラウンドで約2時間、汗を流した。初戦から6連投になるエース左腕・鎌田健太郎(3年)は軽めのキャッチボールで最終調整。「私学を倒したくて入学した」と意気込んだ。一方、V4に挑む仙台育英は多賀城市の同校グラウンドで左腕対策を行った。4番入江大樹内野手(3年)が「仮想鎌田」として打撃投手を務めた最速149キロ左腕・笹倉世凪(2年)から左中間フェンス直撃の三塁打。本塁打を放った昨夏対戦時の再現で東北大会切符を導く。

   ◇   ◇   ◇

絶対エース鎌田がチームを宮城NO・1に導く。9回2死で降板した仙台城南戦を除く4戦で完投。準決勝まで639球を投げた。ここまで42回2/3で防御率2・53。打たせて取る投球が身上だ。スライダーが持ち味で、変化球を生かす直球の最速は測ったことはないが「140キロくらいです」と自信を持つ。

昨秋までは制球が定まらず、投げ急いで自滅することも多かった。昨夏準々決勝で仙台育英と対戦。6安打に抑えたが13四死球と乱れ、0-3で敗れた。今年も「鎌田VS仙台育英打線」の構図は変わらない。相手打線には5人以上の左打者がスタメンに並ぶ。フォーム安定のため昨夏から体重を10キロ増やし、下半身強化に努めており、「左も右も苦になりません」と強気だ。

コロナ禍で5月下旬まで約2カ月間の休校中は、西野恭平外野手(3年)らと広瀬川の河川敷などで練習し、野球に対する思いも深め合った。東北楽天シニアの1期生で、仙台育英には吉原瑠人捕手(3年)ら同期3人がいる。決勝舞台になるかつての「ホーム」楽天生命パーク宮城で「1人1人との勝負を楽しみたい」と意気込む。

仙台三3年時に内野手で夏4強の石垣光朗監督(57)にとっても、仙台育英は準決勝で0-1で敗れた相手。「どれだけ守れるか。5、6点勝負に持ち込みたい」と、チーム打率3割2分1厘の打線の援護にも期待した。【佐々木雄高】