新潟県央工のエース滝沢拓豊投手(3年)が、菊地直左翼手(3年)の公式戦初本塁打で奪った“虎の子”の1点を守り抜く初完封。長岡大手戦を1-0で制し、14年以来6年ぶりの準々決勝進出を決めた。

両校エースの投げ合いの中、迎えた4回表の攻撃。先頭の6番菊地が左翼フェンスぎりぎりに公式戦初の本塁打を放ち、スコアボードに「1」を刻む。「長岡大手の上村健投手(3年)もいいピッチングをしていて、絶対負けられないという気持ちで投げた」と被安打も6でホームを踏ませなかった。

3回戦の長岡商で14奪三振をマークした滝沢は、この日も2桁、11三振を奪った。長岡商戦では初回制球が定まらず、立ち上がりを上位進出への課題としていたが「修正ができ、いいピッチングができた」と本人も納得の投球だった。

星野耕一監督(49)は投打のヒーローに目を細めた。力投が続く滝沢を「大会を通じて成長した」と評し「彼を大会を通じて成長させたい思いだった」。値千金の一打を放った菊地には「真面目で一生懸命やる子なので、野球の神様が味方をしてくれたんだと思う」と喜んでいた。【飯嶋聡美】