仙台工が10-3の7回コールドで尚絅学院に逆転勝ちし、決勝進出を決めた。阿部由輝捕手(2年)が4回に勝ち越し打と7回はコールド勝ちを決める適時打2本。守備でもエース右腕・桃井大輝(3年)を好リードして、3失点完投に導いた。

桃井が4回までに3失点するも打線が奮起。4回1死一塁から3連打で同点に追いつき、8番が犠打で好機を広げて続く阿部由が「力を抜いて、飛ばす意識ではなかったが、良い感じに角度がついてくれた」と、左翼手の頭上を越える適時二塁打で右腕を突き上げた。同回は打者11人の猛攻6安打2四死球で7点を挙げた。

大量援護を受けたエースは「打たれても後ろは守ってくれると、自信を持ってリラックスして投げられた」と、尻上がりで残り3回を無安打投球。そのまま主導権を譲らず、7回1死二、三塁で女房役が外角直球を中前に運び、試合を決めた。昨秋からは練習メニューを2人で行い、信頼も厚い。桃井は「(阿部由は)自分の彼女みたいな存在。絶対に後ろにボールをそらさないという信用がある」と笑顔。次の目標は「宮城県でNO・1のバッテリーになること」。絆が深い「輝」バッテリーの夏を長くする。【相沢孔志】