7月26日から母校・常総学院(茨城)の指揮を執る島田直也監督(50)が9日、日本ハム同期入団で「SSコンビ」と呼ばれて人気を二分した芝草宇宙監督(50)率いる帝京長岡(新潟)と練習試合を行った。33年の時をへて、再び同じ舞台に立つことになった2人。指導者として甲子園を目指す戦いのスタートを切った。

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試合後の円陣に立った島田監督は帽子を取り、軽く頭を下げて言った。「監督になって初めての試合で勝ってくれて、ありがとうございました」。沸き起こった選手たちからの拍手。優しい笑顔をみせた。7月26日に母校の監督に就任して初めての試合で、21安打21得点の完勝。3月から投手コーチとして指導してきた投手陣は、継投でのノーヒットノーランを決め、初陣に花を添えた。

不思議な運命が2人の指導者を引き寄せた。87年。島田監督は常総学院、芝草監督は帝京の一員としてともに春、夏の甲子園に出場した。その年の高校日本選抜メンバーに選ばれ、アメリカ遠征にも参加。同部屋になり親交を深めた。そしてそろって日本ハムに入団。「SSコンビ」として女性人気を二分した。あれから33年。4月に帝京長岡の監督に就任した芝草監督が「同じ年に監督になり縁を感じた」と何度もアプローチし、この日の練習試合が実現した。島田監督は「これも運命なのかな」と笑い「高校生らしく全力疾走で、最後まであきらめない姿。常総学院の伝統である機動力。島田らしい野球もプラスしたいね」と名門復活に向けて力を込めた。

10日からは交流戦が始まる。かつて2人が活躍した甲子園を、今度は監督という立場で目指す。「お互いに、もう1度野球界を盛り上げられたら」と笑顔で握手。いつか聖地で「SS“監督”コンビ」の対決を実現させる。【保坂淑子】