和歌山にもおかわり君がいた。高野山・渡辺大和内野手(2年)は177センチ、89キロの体型で高校12本塁打をマークする右の長距離砲。秋季近畿地区和歌山県1次予選の箕島戦に4番三塁で出場し、視察した阪神、巨人など4球団のスカウトの前で高い能力を示した。

初回の先制犠飛に続き、4回の好機では変化球を完璧に捉え、一時勝ち越しの適時打を中前に運んだ。8回には「もう1つ強く振れれば越えていたと思う」と、逆方向の右翼への強烈な当たり。中大監督時代に巨人の阿部2軍監督を指導した伊藤周作監督(69)も「来年騒がれる選手にしたい」と期待を寄せる素材だ。

ルーティーンも強打者仕様だ。右足、左足とひねり、打席の中で体を反らす。「腰とかのストレッチが入る。リラックスできるので」。明石商(兵庫)来田涼斗外野手(3年)をまね、スイッチを入れている。「みんなに恐れられるような打者になりたい」。敗戦でセンバツの道は断たれたが、来秋注目のドラフト候補になりそうだ。【望月千草】

◆渡辺大和(わたなべ・やまと)2004年(平16)2月16日、和歌山県橋本市生まれ。西部小4年で西部リーグスターズで野球を始め、橋本中央中では和歌山ホークスに所属。177センチ、89キロ。右投げ右打ち。