仙台南が泉松陵を7-0の7回コールドで制し、3回戦に進んだ。「1番中堅」の田中滉也外野手(1年)が、先制打を含む2安打1打点1盗塁。1回戦(8月30日、小牛田農林戦)に続く、2戦連続のマルチ安打で勝利を呼び込んだ。

0-0の3回無死二塁。先制機に田中は「自分が決める」と力が入ったが、ベンチから松木健林監督(44)に「つなぎでいいよ」と声をかけられ、冷静さを取り戻した。「つなぎの意識で、(一塁方向の)引っ張りで走者を進めよう」。狙った直球を振り抜くと、右翼へ適時二塁打。「ナイスバッティング」と盛り上がるベンチに、1年生は二塁上で声援に応えた。

4回2死の3打席目は中安打で出塁し、すかさず盗塁。続く2番神部丈太郎内野手(2年)の中前適時打で快足を飛ばし、二塁から楽々生還した。中学時代は硬式野球のボーイズリーグと学校陸上部との二刀流で、18年の宮城県中学新人陸上男子100メートルでは7位に入賞した実力者だ。「中学から1番打者。長打よりも単打を打って、足で塁をかき回す意識」と、自慢の脚力には自信を持つ。

次戦21日は東北との大一番。松木監督は「今持っている力を知る上ではいい相手。どこまでやってくれるか楽しみ。何とか倒したいですね」と対戦を心待ちした。【相沢孔志】