初出場の浜松日体(西部5位)が、星陵(東部4位)との延長11回の激闘を制し、初陣を飾った。先発のエース白柳拳斗(2年)が、11イニングを無失点で投げ抜いた。同校は、2回戦で静岡高(中部1位)と対する。今夏県4強の静岡商(中部4位)は、同準優勝の浜松開誠館(西部5位)に6-2で快勝。藤枝明誠(中部5位)は富士宮西を5-0で下し、秋の県連覇へ好発進した。2回戦8試合は、20日に行われる。

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浜松日体が延長11回までもつれた投手戦を制し、野球部に新たな歴史を刻んだ。エース白柳が7安打無四死球完封。三塁を踏ませぬ投球で、創部58年目での秋の県大会初出場初勝利に貢献した。

この日投じた123球目。内角の直球で最後の打者を遊ゴロに抑えると、マウンドに立ち続けたエースの笑顔が弾けた。「自分たちの代で勝ててうれしい。テンポ良く理想的な投球ができた」と胸を張った。直球主体の序盤から、中盤以降はカーブやスライダーを多投。カウントを稼ぎ、相手打線を手玉に取った。

11回表1死一、三塁、江間加伊里(かいり)内野手(2年)がセーフティースクイズで決勝点を奪った。「死に物狂いで転がした」と胸をなで下ろした。チームは西部地区大会の4試合で39得点。持ち味は攻撃力だが、この日は10回まで無得点だった。杉田亨監督(39)は「少し硬かった」と苦笑い。「攻撃のミスが出た中でも、白柳が粘ってくれた」とたたえた。

2回戦は中部地区王者の静岡高と対する。白柳は「対戦したかった。ゼロに抑えて勝ちたい」と、名門相手に気後れしていない。旋風を巻き起こす準備は整っている。【古地真隆】