昨秋兵庫王者の報徳学園が県大会2回戦で姿を消した。エース左腕久野悠斗投手(2年)が「なかったと思う」と今まで記憶にないという1試合2被弾で逆転を許すと5回にも2死走者なしからピンチをつくり、適時で3点目を奪われた。「力負け。1本目の本塁打を打たれてから、自分のペースに戻せず、チームにも自分にも悪い流れを持ってきてしまった」と肩を落とした。

打線は神戸弘陵の時沢健斗投手(2年)のスライダー、フォークボールを攻略できず、1点を追う6回、7回には得点圏に走者を進めたが、追いつくことはできなかった。大角健二監督(40)は「攻撃の選択肢が少ない代なので、打たなかったら厳しい」と振り返った。これで来春のセンバツ出場は絶望的。大角監督は「長い冬になるが、可能性がある代なので頑張ります。冬に力をつけて出直したい」と、来夏へ向けチームを鍛え上げる。久野も「この悔しさをぶつけるように、この冬は自分が率先していきたい。夏までに力負けしない投手になれるように、全体的にレベルアップしたい」と自己最速143キロを投げる身長185センチの大型左腕は、悔しさを押し殺し、さらなる成長を誓った。