東海大相模のエース、石田隼都投手(2年)が、持ち味の高速テンポ投球で準決勝進出に導いた。

初回から、テンポ良く打ち取った。捕手のサインを見るやいなや、すぐにモーションに入り投球する。「首を振りたい時もないので」と、この秋からバッテリーを組む谷口翔生捕手(1年)との息もバッチリ。力のある真っすぐにチェンジアップ、スライダーを交え、的を絞らせなかった。

最短は7回。2球で三ゴロ、2球で右飛、そして4球で空振り三振に。この回1人目の打者へ1球目を投じてから、3人目の打者を打ち取るまで約1分30秒。石田は「急いでいる? いえ、無駄をなくしただけです」と、さらりと言ってのけた。8回1/3を投げ、7奪三振の無失点。7安打されながらも要所で三振を奪い、ホームを踏ませなかった。

コロナ自粛期間に、高速テンポの投球術を身につけた。プロ、アマチュアを問わず動画をチェック。「強いチームの試合を見て、速いテンポで投げることで、攻撃のリズムも上がるし、守備も間延びしない。守りやすいと思った」。自主練習で、少しずつ体になじませた。

ただ速いだけではない。一定のリズムで投げないことを意識し、わずかにタイミングを外す。「球数少なめのイメージ。コントロールだけは間違えないように投げています」と、速いテンポの中でも、石田なりの「間」と「ペース」をしっかりと取っている。

次は準決勝。相手は同じ左腕の金井慎之介投手(2年)を擁する横浜だ。「今日の試合で、いいイメージができた。勝つために、1イニング、1イニングをしっかり投げたい」と勝利へ意欲を示した。