明石商が難敵・滝川二を振り切り、8強に進出した。

投打の二刀流が、「投」で奮闘した。相手の意表を突く形で、中堅手の福本綺羅(ひかる、2年)が先発。「低めに投げて、ゴロを打たせることを意識した」。毎回先頭打者に出塁を許す苦しい投球となったが、味方の守備にも助けられて3回2/3を5安打1失点と粘投した。

9月上旬に行われた明徳義塾(高知)との練習試合でも登板し、6回1安打に抑えた腕を買われた格好。普段は人前が苦手という恥ずかしがり屋な一面を持つが、野球だけは別。「アドレナリン、ただそれだけです」。公式戦初先発の相手が、強豪・滝川二。大会序盤にやってきた、1つの山を強心臓で乗り切った。

だが、4回2死満塁とピンチを招いた所で、エースの西村元輝投手(2年)にスイッチ。2球で遊飛に打ち取る安定感ある投球でピンチを脱した。5回1/3を3安打7奪三振と好救援し「テンポよく、すぐ追い込めたりしてたのが良かったと思う」と振り返った。

狭間善徳監督(56)は「とんでもない当たりがセーフになったりとか、ついてたところはあった。1戦1戦気持ちを切り替えてやっていきたい。今日勝てて自信になると思う」と息をついた。

打線は1点を追う3回表、無死満塁から敵失や4番亀田雄陽内野手(2年)の中前2点適時打などで4点を奪って逆転した。