9連覇を狙う仙台育英が10-0の5回コールドで仙台城南に完勝し、23日の準々決勝に進出した。系列の秀光中教校出身の1年生左腕・古川翼が4安打完封で公式戦初登板を飾った。

須江航監督(37)が「将来のエース候補」と期待する古川が、期待通りにデビュー戦を発進した。立ち上がりは1回の2死満塁を含め、3回まで毎回走者を背負ったが、「気負うことなく落ちついて投げられました」と動じなかった。最後の2イニングをともに3者凡退で締めた。

秀光中では1学年上の先輩で、同じ左腕の笹倉世凪(2年)らと18年全国中学軟式野球大会準優勝に貢献。今春もベンチ入り濃厚だったがコロナ禍で中止となり、秋に照準を合わせてきた。172センチ、72キロと小柄だが、軟式では最速143キロを記録。硬式でも春の紅白戦で141キロをマークした。成長途上の若武者は「身長も体重も増やして、最終的にはプロでやりたい。夢ではなく目標」と宣言した。【佐々木雄高】