神戸弘陵が延長10回に2点を奪い、東洋大姫路に競り勝ち8強入りを決めた。小、中学時代はバッテリーを組んでいた2人の投手で10個の「0」を並べた。

背番号1の先発・山河斗真投手(2年)は左腕から変化球を丁寧に集め、6回まで3安打無失点。7回に安打と2四球で2死満塁のピンチをつくると、背番号3の時沢健斗投手(2年)にスイッチ。時沢は1球で二ゴロに仕留め切り抜けた。時沢は「準備はしていたので、来た! と。(公式戦では)リリーフは初めて。三振か詰まった内野ゴロを狙っていました」と狙い通りの火消しぶりだった。9回まで両軍得点できず延長へ。10回に2点を奪うと、最後も時沢が無失点に抑えた。

兵庫県三木市の自由が丘小4年から自由が丘中と山河が投手、時沢が捕手としてバッテリーを組み続けた。中学野球を引退後、山河は時沢から「(自分は)球が速いから高校では投手になる」と投手転向を明かされた。その時、2人は同じ高校に進むとは思っていなかった。今ではエースを争うライバルだ。山河は「バッテリーの時と違ってけっこうピリピリしている」。時沢も「毎日、エース争い。練習から意識しあっている。今の方が楽しい」と明かした。

2人の激しい競争もあり、チームは県大会で報徳学園、東洋大姫路と連続で撃破。チームのスローガンは「日本一の下克上」。山河は「みんなで話し合って決めた。僕たちは下ですし、練習試合も負けていた。秋の大会で下克上したい」と説明した。甲子園は夏は1度(89年)春4度(90、91、94、99年)出場がある。来春22年ぶりの甲子園へ、快進撃を続ける。