公立勢対決となった青森では、八戸西が14安打8得点の猛攻で青森を7回コールドで下し、創部46年目で初の秋東北大会切符をつかんだ。先発した188センチのエース右腕・福島蓮(2年)が4回ノーヒット投球で試合を作り、8番打者としても3安打「猛打賞」と大活躍した。27日の決勝は地区予選で敗れた八戸学院光星との再戦で、16年春以来の県王者に挑む。

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長身右腕が相手打線を見下ろした。福島は角度のある最速140キロ直球に、2種類の変化球を織り交ぜ、4回を無安打5奪三振。「(青森は)打つチームだと聞いていたので、1発を浴びないように、低め低めを意識した」。3回2死からは制球が乱れ、連続四球でピンチを招くも、後続を遊ゴロに抑えるなど要所はしっかり締めた。「ヒットは打たれなかったけど、荒れ球が多かった。そこは反省点」と課題も忘れなかった。

寝る子は育つ? 188センチ右腕のリラックス方法は睡眠だ。「暇な時間は、寝ていることがほとんどです」。中学時代に160センチから184センチまで急成長。成長痛もなくすくすく伸び、長身から投げ下ろすスタイルが確立した。大きく落ちるスプリットは効果抜群で、ベース付近手前でワンバウンドする球でも、打者は思わず手を出した。ただ、体重65キロと線が細く「太らない体質。体重を増やさないと、この先やっていけない。食べる回数を増やしたりしています」。食事トレーニングも取り入れながら、肉体改造に励む。

「打倒私立」に燃えている。決勝戦は地区予選で敗れた八戸学院光星と激突(スコアは2-3)。福島は「1点リードしていた展開で、8回に2ランを打たれて敗れた。厳しい展開になると思うけど、やり返したい気持ちが強い」と闘争心をむき出しにした。青森で公立勢の秋優勝は92年の八戸が最後。難敵立ちはだかる「八戸ダービー」を制した先には、春夏通じて初の甲子園も見えてくる。【佐藤究】