花巻東が8回裏の集中打で花巻農を突き放し、5年連続の東北大会出場を死守した。

連続長打で勝ち越すと、「3番右翼」佐藤史弥外野手(2年)が公式戦初本塁打となる右越え2ランでダメ押し。「甘く入った球を捉えられた。自分は花巻市出身なので、花巻農には負けたくなかったし、菱川を楽にさせてあげたかった」。打倒花巻東を掲げて中学の仲間で集ったチームを退けただけでなく、緩急をつけた投球で2安打完封の最速147キロエース右腕・菱川一輝(2年)を援護した貴重な一発だった。

矢沢中2年時に西武山川穂高内野手らが講師役を務めた富士大のプロ野球選手交流野球教室に参加し、本塁打を導くフルスイングを直接指導された。「山川さんに教えていただいた体を開かない素振りをずっと続けてきた。それが出せたと思う」。エンゼルス大谷翔平投手やロッテ藤原恭大外野手の打撃も参考にしながら成長曲線を描いている。

昨秋の東北大会では仙台城南(宮城)との初戦で先発出場も、延長11回に失策や四球絡みで失点し、2-3で敗退する悔しさも味わった。「流れが大事なことを教わった試合。今はチームのリーダー的存在になっているので、そこを意識してセンバツをつかみたい」。打で上位進出の流れを引き寄せる。【鎌田直秀】