花巻東(岩手)が角館(秋田)にサヨナラ勝ちし、8強進出を決めた。

1-0で迎えた8回、最速147キロ右腕・菱川一輝投手(2年)が2番手でマウンドに向かった。「(先発の)仲居が無失点で頑張ってくれていたので、少し気負った部分があった」と、先頭に死球を与え、守備のミスが重なり同点とされる。もう失点は許されない、エースの魂に、火がついた。9回2死二塁。相手打者を2球で追い込み、最後は外角直球で見逃し三振。「サヨナラにつながる投球がしたかった。自信のあるストレートで三振を狙った」。3つのアウトをすべて三振で奪うと、雄たけびを上げた。

9回裏の攻撃。先頭の平井柊外野手(2年)が死球で出塁。その後、四球と安打で満塁の好機をつくった。3番・佐藤史弥外野手(2年)の左犠飛で、三塁走者・平井は捕手のタッチをかわし、右手で本塁に触れサヨナラ決着。佐々木洋監督(45)は「菱川がピンチの場面を抑えて、最後に佐藤がよく打ってくれた。チームの成長につながる勝利になったと思います」。3年ぶりセンバツへ、明らかに勢いがつく劇勝だった。【佐藤究】